雛人形はひな祭りに末永く飾るものなので、着物の素材や柄も選ぶポイントですが、まず見極めるのは、人形の姿勢と品の良さです。正面から人形を見たときに“正三角形”で、横から見た時にまっすぐに背筋が伸びているものは、自然で安定感があります。
袖や裾、胸元の重ねが均一でなく妙に多いものや、袖口が大きく開いているものは、だらしのない感じに見えます。せっかくのひな祭りだから豪華なものを、と派手なものを選んでも、飽きが来てしまうので、選ぶときは品格の良さを重視してください。お雛様は、平安時代の優雅な世界を再現したものなので、貴族の調度品や装飾品などに使用されている古典的な柄が良いです。
素材を重視するのなら「正絹」のものを選びましょう。「正絹」と表示されていても、人形の場合、正絹100%でないことがあるので、お店の人などによく確認してから購入してください。
道具類は、雛人形を豪華に美しく演出してくれるものです。華麗なお花、屏風の繊細な絵柄など、熟練した職人さんが1つ1つ丁寧に造り上げたものです。道具を見極めるポイントとしては、人形と良くマッチし、人形を引き立たせてくれるものを選びましょう。全体的に豪華にしたいのなら木製の段を、人形本位で飾りたい場合は、金屏風と赤毛せんのみのシンプルなタイプがおすすめです。屏風や台のポイントは、塗りの技術が丁寧か、金具が丁寧に細工されているか、木地が細かく仕上がっているか、などです。道具類は、一般的に木製ですが、中には、プラスチック製のものもあるので、よく確認してください。