「中馬のおひなさん」について

愛知県豊田市足助町では、平成22年2月6日(土)~3月7日(日)のひな祭りの時期に、毎年恒例となっている「中馬のおひなさん」が開催されます。
足助町は愛知県北東部に位置し、岐阜県と長野県の県境にも近いことから、三州街道の宿場町として古くから栄えました。現在でも、中心部ではその頃の面影が残った古い街並みが見られます。
三河湾からは塩が取れ、矢作川を船で上り、足助に集められました。そして、足助から馬に積み替えられて、信州へと運ばれました。物資を輸送するために用いられた馬のことを「中馬」と言い、その中馬で運んだことから「中馬街道」と呼ばれました。また、三河地方沿岸部で作られていた「土人形」も、ここへ運ばれて来ました。そして、たくさん土人形が各家に残され、ひな祭りに土雛として長年飾り伝えられてきました。
「中馬のおひなさ」では、それらの歴史のある土雛や衣装雛、雛段飾りなどが、民家の玄関や商家の店内などに豪華に飾られて展示されています。
また、期間中には、「がんどう」が行われます。「がんどう」とは、古くからこの地方に伝わる風習で、ひな祭りのお雛様が並べられる日に、子どもたちが家々を回るとお菓子などをもらえます。参加対象は小学生以下の子どもさんで、先着100名となっているので、実施しているお店を確認して参加してください。
さらに、職人さんが白い素焼きの土雛に絵付けを実演するイベントも行われます。お人形が美しく彩られ、命が吹き込まれていく様子は感動的ですよ。