ひな祭りは、春の訪れを祝う意味もあるため、立春の2月4日頃を過ぎたら飾り始め、ひな祭りの翌日に片付けるのが理想的です。ひな祭りが済んだらすぐにしまうのは、「早くひな人形を片付けないと、嫁に行き遅れてしまう」と言われていますが、それには次のような親心が込められています。
・ひな人形には、子どもの災いや厄を受けとめる役目があります。いつまでも厄を背負った人形をそばに置いておくと、いつまで経っても結婚できず、幸せになれないと考えられていました。そして、災いを早く遠ざけるために早くしまうようにしました。
・ひな人形は、きれいでいつまでも飾っておきたいものですし、片付けるのも大変です。でも、いつまでも飾ったままにしておくと、湿気でカビが生える心配もあります。そのため、片付けができないような女性では、良いお嫁さんにはなれないので、すばやく片付けるようにしつけたのです。
・ひな人形は、婚礼の様子を表しているので、娘の結婚に重ねることができます。お雛様のような幸福な結婚が早くできるように願って、早くから飾り、早く片付けるようにしました。
これらの想いから、早く片付けるのが習慣となりましたが、十分な時間がない時や雨の日は、片付けを避けたほうが良いでしょう。そのような場合は、内裏雛を後ろ向きにしておきます。
ひな祭りを過ぎても気にしない人でも、なるべく春分の3月21日頃までには片付けましょう。また、旧暦の4月にひな祭りを行い、それまで雛人形を飾っておく地域もあります。