白酒と甘酒の違いとは?

有名なひな祭りの歌「うれしいひな祭り」には、「すこし“白酒” めされたか~」という歌詞が出てきます。
「白酒」は、昔から、ひな祭りには欠かすことのできないものです。元々は、不老長寿の木である桃の花を、酒に浸して作る「桃花酒」を飲んでいましたが、江戸中期に入ってから、白酒を飲むのが定着したようです。
ただ、「子供の頃から、白酒を飲むのが好きだった」という人は、たぶん勘違いをしていると思います。実は、本当の白酒を飲んだことのある人は少ないようで、「甘酒」と間違っている人がたくさんいるようです。
白酒は、もち米を蒸して、味りんか米麹を加えて、さらに焼酎を加えて熟成させて、磨り潰して仕上げられます。アルコール度数はだいたい10%前後で、甘みがあり、酒税法では“リキュール”に分類されます。そのため、甘くていくら飲みやすいと言っても、お酒なので子どもは飲んではいけません。「子供の時から、白酒が好きで良く飲んでいた」という人は、似たような甘酒を白酒と思い込んでいるのでしょう。
甘酒は、ご飯などに米麹を加えて混ぜ合わせ、定温で一昼夜保温し、糖分をでんぷんから引き出した甘い飲み物です。このように作られたものは、アルコール度数が1%未満と低いのでお酒には分類されず、子どもさんでも安心して飲むことができます。また、一晩で作ることができることから「一夜酒」とも言われ、手作りできる飲み物として昔から親しまれ、ひな祭りの代表的な飲み物として定着しています。