ひな祭りが終われば、すぐに雛人形を片付けますが、雛人形はとても繊細なので、保管する際にはいくつかの注意が必要です。
高級な雛人形は、衣装や髪の毛など、素材の多くに「絹」が使用されています。絹はとても繊細な素材で、通気性と吸湿性に優れていますが、カビや害虫が付きやすい面もあります。それにより、雛人形を保管する際は、絹の取り扱い方が重要なポイントになります。絹製品を保管する際は、「紫外線」「湿気」「害虫」の3点について特に注意が必要です。
紫外線は、絹に含まれるたんぱく質に働きかけて変色させてしまいます。保管の時だけでなく、飾っている時も、長い間直射日光が当たらないよう気をつけましょう。
湿気は、黄ばみや変色を起こすなどの影響を与えますが、それだけでなく、カビを繁殖させたり、害虫が住みやすくなり虫食いになったりします。カビや害虫は、温度と湿度の高い場所を好んで住みつくので、そのような環境に保管しないようにしたり、高温・多湿に気をつけたりしましょう。桐箱があれば、これに保管するのが一番安心です。
衣服の害虫の代表的なものは、「シミ類」や「カツオブシムシ」です。虫は湿気の多い場所が大好きなので、湿度を調整するだけでもかなり違ってきます。また、シミ類などは細長く扁平なので、隙間があると入り込みやすいです。そのため、隙間を作らないことも注意しましょう。害虫対策には、防虫剤を使用するのが一般的ですが、忘れてはいけないことは、絹に一番優しい方法を取ることです。
ひな祭りが終わったら、また来年美しい姿で出会えるように、大切に保管しましょう。